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デヴィッド・カヴァーデイルが引退を表明した。ディープ・パープルでシンガーとしてデビューし、早50年。まさに「ご苦労様」と、労をねぎらいところだ。パープルのシンガーといえば、自ずとイアン・ギランが看板になっているけど、自分の好みのヴォーカリストといえば、むしろこのデヴィッド・カヴァーデイルになる。

初めて買ったパープルのアルバムも、ちょうど新作として発売になったばかりの参加2作目『STORMBRINGER (嵐の使者)』で。プロ・キャリアのないブティックの店員が、いきなりパープルのフロントに起用されたワケで、当時は “シンデレラ・ボーイ” なんて呼ばれていたな。ギターがリッチー(・ブラックモア)からトミー・ボーリンへとスイッチする危機を乗り越えたばかりのパープルに三下り半を突きつけ、グループを解散へと駆り立てる糸口を作ったのも、実は彼だった。

そのあと77年に、初めてのソロ・アルバム『WHITESNAKE』を発表。今もって、地味なアルバムとしてあまり評価されていないが、名バラード<Hole In The Sky>が入ってたりして、自分は大好きだったな。ココで全編ハデなドラムを叩いていたのが、若き日のサイモン・フィリップス。フィル・マンザネラの801、ジューダス・プリースト『SIN AFTER SIN』などと並んで、自分が彼のドラムを意識するようになったキッカケのひとつでもある。

2ndソロ『NORTHWIND』発表後、自身のグループ:ホワイトスネイクを旗揚げ。ブルースを基調としたハード・ロックで、日英で人気を獲得した。しかしバンドはメンバー・チェンジを繰り返し、カヴァーデイルのプライヴェート問題や喉の手術など、トラブル続発。そうした最中の87年に米ゲフィンと契約。バンド・メンバーを一新し、アリーナ・ロック色を強めたサウンドにシフトして、<Here I Go Again>で全米No.1を記録。悲願の全米制覇を成し遂げた。

多分、ホワイトスネイクの多くのファン、カヴァーデイル・シンパは、この頃からの世代なのだろう。でも自分は、その変貌が痛ましくて仕方がなかった。カヴァーデイルは、そうやって無闇矢鱈にシャウトしたり、スクリーミングするシンガーではなかったはず。パープル加入位の頃の彼のアイドルは、ソウルフルに歌いあげるポール・ロジャース(フリー/バッド・カンパニー)だったではないか。パープル時代の<Mistreated>や<Soldier Of Fortune>は、まさにそういうロック・バラードの名曲だったではないか…

結果、人気や成功を手にしたカヴァーデイルだったが、長期にわたる喉の酷使が、彼のシンガーとしての寿命を著しく消費させてしまった。カヴァーデイル・ペイジは来日公演にも足を運んだものの、その後のホワイトスネイク再結成はロクに聴く気になれず…。10年前くらいに出したパープル・ナンバーのリメイク・アルバム『THE PURPLE ALBUM』なんて、喉を潰して、耳を覆いたくなるようなダミ声に成り果てていたっけ… 自分はもうあの頃から、彼の歌手生命は絶たれてしまった、と思っていたよ…

今更 “たら・れば” を言っても始まらないが、カヴァーデイルの胸の内は如何ばかりか。当人が納得しているのなら、ソレで良いんだけれどね。最近はホワイトスネイクの編集盤が乱発されているけれど、契約の問題か、初期作に手が届かないのが残念でならない。

《amazon》
Little Box 'o' Snakes
Whitesnake
EMI
2013-05-09

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