hiroki miyano_full sail

81年のデビュー当時は、“日本のアール・クルー” なんて呼ばれていたアコースティック・ギタリスト、宮野弘紀。その翌年にリリースされた2ndアルバム『FULL SAIL』が、ようやく初CD化された。筆者監修で6月に発売されたフュージョン・ギタリストのコンピレーション『Light Mellow presents MY GUITAR SINGS MELLOW』に、このアルバムから<Carrot Walk>をセレクト。それがキッカケになってのCD化だそうで、これは嬉しい波及効果。セオリー通りに行けば、ニューヨーク録音のデビュー・アルバム『MANHATTAN SKYLINE』から選ぶべきだったんだろうけど、どうせならレアな未CD化作品から、と思い直したのが功を奏したみたいデス。

前作がマーカス・ミラーやバディ・ウィリアムス、ホルへ・ダルト、ウォーレン・バーンハート、ジェフ・ミロノフに川崎燎、デイヴ・ヴァレンティン…、という手練れたちのバックアップ、制作テオ・マセオというゴッツイ顔ぶれだったのに対し、こちらは国内録音。しかも自分のバンド:Bird on the Wind を率いてのレコーディングだ。向井滋春、本多俊之、野力奏一などのゲスト陣を迎えてはいるものの、これはサスガに見劣り感が否めない。でもその分リラックスしてノビノビ作っているというか、曲調やアレンジにバラエティ感があり、気楽に繰り返し聴いていられる。1枚目もなかなかカッコ良かったんだけど、少し気張りすぎてて、ちょっぴり疲れてしまうんだよな。

セルフ・ライナーによると、当時はオヴェイションのギター、つまりはアコースティック・スチール弦のプレイに魅せられていたそうで、その成果がココに詰まっている。“日本のアール・クルー” と言われたけれど、クルーに比べ、程よいテンションの演奏を聴かせていると思ったのは、そういう楽器の違いもあったのだろうな。

ココへ来て急速に盛り上がりを見せているジャパニーズ・フュージョンだけれど、来年はもっとスゴイことになるはずヨ。

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フル・セイル
宮野弘紀
STEPS RECORDS
2025-11-12

《Tower Records はココから》