sweet candies

アース・ウインド&ファイア、クール&ザ・ギャング、
     ボビー・コールドウェルにロバータ・フラック…。
ベタなカヴァーに宿る70’sソウルのヴィンテージ・フレイヴァが、
         時代を超えてまろやかさと艶やかさを運ぶ。
隠し味には、めくるめくヴィブラフォンのメルティな響き。
ローマの音の魔術師パピックが送り出す、
   シルキー・レディたちの歌声に酔いしれて。


ローマの鬼才サウンド・クリエイター:パピックことネリオ・“パピック”・ポッジが、このところイチ押ししていたのが、このヴォーカル・トリオ:スウィート・キャンディーズ。先頃、秀作アルバムをリリースしたパピックのソウル・プロジェクト:ソウルトレンド・オーケストラでヴォーカルを務めていたので、先物買いのパピック・フォロワーなら、既に彼女たちの歌声には親しんでいるはずである。

3人はアナ・フォンディ、エリカ・シェルリン、ラウラ・ランジーロ。ジャケ写の通り、新しいグループにしては少しとうが入っている歌姫たちのグループだ。実際彼女たちは、いずれも40〜50歳代の大ベテラン。それぞれ自身の活動やスタジオ・シンガーとしてキャリアを築いており、ソウルやジャズ、R&Bなどから影響を受けてきた点も似たり寄ったり。そんな3人が、テン年代半ば頃から順次パピックのプロジェクトに参加するようになり、前述したソウルトレンド・オーケストラ『NOW IMAGINE』のセッションで一堂に会した。
「すぐに自分たちが生み出した独特の声のテクスチャーに気づきました。私たち3人の歌声が、ひとつのまとまりのあるサウンドに溶け合っていたのです。まるで魔法のように。それが私たちの旅の始まりを告げました」(スウィート・キャンディーズ)

このデビュー・アルバムの内容は、ソウルとディスコ黄金時代へのオマージュ。収録曲も半分以上が70〜80年代のソウル・クラシックで、チャロ&サルソウル・オーケストラ〈Dance A Little Bit Closer〉、故バーナード・エドワーズ(ex-CHIC)の唯一のソロから〈Don't Do Me Wrong〉、テディ・ペンダーグラスの名バラード〈Close The Door〉、アース・ウインド&ファイアーで有名な〈Can't Hide Love〉、クール&ザ・ギャングのヒット〈Too Hot〉、ロバータ・フラックを筆頭にマリーナ・ショウやジョージ・ベンソンで知られる〈Feel Like Making Love〉、ボビー・コールドウェル定番〈What You Won't Do For Love (風のシルエット)〉、そしてデニス・エドワーズがサイーダ・ギャレットと歌った〈Don't Look Any Further〉。以前からパピックのポップ〜ソウル・クラシックのカヴァー・センスを知る者なら、この名曲群のセレクトに、思わトキメいてしまうソングリストである。

そこへリーサル・ウェポン的に投入されたのが、クラウディオ・ピセッリのヴィブラフォン。クラウディオはクラシックとジャズを股にかけて活躍する打楽器奏者で、イタリアの著名オーケストラやエンニオ・モリコーネ、ルイス・バカロフとも共演、イタリアの名門音楽学校パーカッション課でトップを務めているそうだ。ジャズを演る時はヴィブラフォンをメインとし、リーダー作も出している。
「このプロジェクトは、70年代のソウル/ディスコ時代の素晴らしい女性ヴォーカル・グループにインスパイアされているけど、同時にロイ・エアーズの影響も受けている。とりわけ、クラウディオ・ピセッリが演奏するヴィブラフォンが、アルバムにとても独特なサウンドを与えているんだ」(ネリオ・“パピック”・ポッジ)

パピックと彼の参謀役ピーター・ヂ・ジローラモがこだわってきたのは、ヴィンテージ・シンセサイザーの音作りである。その2人が、スウィート・キャンディーズの豊潤なヴォーカル・ハーモニーに対比させるために辿り着いたのが、ヴィブラフォンの浮遊する音色。そしてそれが『UNEXPECTED VIBES』といアルバム・タイトルに隠された意味を明らかにする。

耳馴染みのあるトラックが多いので、最初はどうしても意識がそちらへ向かってしまうが、聴き込んで行くと、どちらもまったく遜色がないことに気づく。メンバーたちもオリジナル・チューンへのこだわりが強く、“特別な魔法が宿っていて、レコーディングではタップリと情熱と楽しさがを注ぎ込んだ” と話す。まずはその辺りから要チェック。70〜80年代のディスコ〜R&B好なら、必ずや響くモノがあるはずだから。

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アンエクスペクテッド・ヴァイブズ【監修・解説:金澤寿和(Light Mellow)】
パピック・プレゼンツ・スウィート・キャンディーズ
Pヴァイン・レコード
2025-11-26

《Tower Records はココから》