what's aor #6
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AOR Event:WHAT’S AOR? Vol.6『AOR 、アリーナ/産業ロック、メロディック・ロック その似て非なるモノ』@西荻窪・3313アナログ天国、大好評のうちに終了しました! おいで下さったお客様、スタッフの皆さま、どうもありがとうございました。連日のイベントで自分はチョイとお疲れモードでしたが、話し出したらとまらないッ。一人喋りで2時間半越えの長丁場になってしまいました

AORはかねてから定義づけの難しいジャンルとされ、自分も“AORはジャンルではなくスタイル”と言ってきたが、特にヤヤこしいのがこの辺り。AORは日米欧でそれぞれ解釈が異なり、日本でいうAORは主にウエストコースト・ロック(東海岸モノでも)。米国でAORというと、主にAdult Oriented Albumの略称とされ、日本流儀のAORはAdult Contemporaryと称された。しかしAdult Contemporaryにはハード・ロックのパワー・バラードなども含まれていて…。それゆえ欧米では近年のヨット・ロックという呼び名が定着。既にAORのイメージが確立している日本では、嘲笑的意味を含むヨット・ロックの名はあまり定着しなかった。

同じように、日本で生まれた“産業ロック” “商業ロック”という名前も、その批判的スタンスが、ある世代に忌み嫌われる。自分の場合は、そう呼ばれるようになった経緯も理解できるので、そんなに強い嫌悪感はなかったが、最近の人気ドラマよろしく『じゃあ、あんたが作ってみろよ』的な想いをずーっと持っていて。従来のロックはアウトローや反体制の象徴だったの対し、ボストンやフォリナーから始まったこの手のロックは、優等生しか作れない、バランス感に秀でたロックだった。大衆性の追求が商業的だ予定調和だと攻撃されたワケだが、そのバランス感があったからこそ、全米だけでなく、世界的人気を確立したのだ。シーンを牽引したグループの多く、スティクス、カンサス、フォリナー、ジャーニー、REOスピードワゴン、ジェファーソン・スターシップ、サバイバー、エイジア、ナイト・レンジャーなど、それぞれがボストンの大ブレイク以降に音楽性を調整してきたり、キャリア組のミュージシャンたちによる新しいバンドなどなのも、その証しと言える。彼らがボストンのブレイクからハイトーン・ヴォーカルと緻密なコーラス、広がりのある空間的サウンド・メイクといった成功原理を学び、それを自らの個性と掛け合わせたことが、ラジオ主流のアメリカン・マーケットに合致した。

そしてその中でもTOTOは、中軸メンバーがみんな同じノース・ハリウッド出身のハイスクール・バンド的出自を持つ一方で、スタジオ・ミュージシャンならではの演奏力とセンスを共有。ジェフ・ポーカロ存命中の彼らのレパートリーには、TOTO以外の商業ロック・バンドでは到底成立しなかったタイプの楽曲が少なくない。だからこそ、AORと商業ロックの分水嶺に立つことになったのだ。
 
今や産業ロック・商業ロックは、アリーナ・ロックとかメロディック・ロックと言い換えられるが、本来アリーナ・ロックは大きな会場でライヴをやるようなアーティスト全般を指し、フリートウッド・マックやピンク・フロイドのような、より幅広いアーティストを指す。一方でメロディック・ロックは、産業系を引き継ぎつつ、よりハードかつメタルにも近く、主にヨーロッパ〜北欧の、いわゆるメロディアス・ハードへとシームレスに繋がっていく。でもメロハー系のバンドが全米規模の人気を得ている例は少ない。原因として考えられるのは、クラシック寄りのアレンジや、クローズドな空間に音壁を積み上げる硬質なサウンドメイクが、アメリカンは音楽土壌にそぐわないこと。L.A.やN.Y.など都市圏ではフィットしても田舎へ行ったら、ねぇ…。イングヴェイ・マルムスティーン人気が、日欧と米国で大きな差があることを考えれば、おおよそ理解できるんじゃないだろうか。

…とはいえ、AOR 〜アリーナ/産業ロック〜メロディック・ロック〜メロディアス・ハード、それぞれの間に確固たる境界があるワケじゃない。前回AORとブラック・ミュージックとの関係に触れた時にも、グラデーションのように推移していくという話になったが、それは今回も同じ。象徴的なプロデューサーにキース・オルセンやロン・ネヴィソンがいるけれど、同じ曲、一人のソングライター作品でも、アレンジや演奏フォーマットによって印象やスタイルが変わるし、それをうまく使い分けたり、時期やバックグラウンドによってうまく使い分けたり、転身のタネになったりする。そこが難しく、また面白いトコロでもあるのだ。

ジャーニーは産業ロックだけど、ランディ・グッドラムと組んだスティーヴ・ペリーのソロはAOR。一人イーグルスと言われてデビューしたヴァン・スティヴンソンは、AOR路線じゃ成功しなかったが、産業ロックやカントリー・ポップの作曲家として名を成す。ブルー・アイド・ソウルのピーセズやディスコ・ユニットのLAXで活躍したジェフリー・リーブは、ジェフ・パリスの名でミスター・ビッグやナイト・レンジャーらに曲を書き、自らソロ・アクトとなる…など、ホンの一例だ。現場では言い忘れてしまったが、かのシカゴも、ブラス・ロック〜AOR〜商業ロックと路線変更を乗り換えてきたグループと言える。

…というワケで、かなり私論を展開しつつの2時間半超。例によって、サムネイルに上げたアルバムからはほとんど紹介しませんでしたが、関係ネタがいっぱい、というコトで。未だ語り尽くせないけど、まずは参考にしていただけたら幸いです。

 《Play List》
1. YOU OUGHTA KNOW BY NOW / RAY KENNEDY
2. LOVE IS BLIND / JOHN O’BANION
3. HOLD OUT / TRILLION
4. FOOLISH HEART / STEVE PERRY
5. ALL FOR YOU / ROBERT FREISCHMAN
6. BACK ON MY FEAT AGAIN / THE BABYS
6. STRANDED / SHEILA
8. IT WON’T BE YOU / PAUL HYDE & THE PAYOLAS
9. WASTIN’ MY TIME / AIRBORNE
-- interval --
10. ALONE / I-TEN
11. BRING ME BACK / LODGIC
12. SWEET WATER / STRAIGHT LINES
13. MAGIC / BALANCE
14. SWEET HEART / FRANKIE & THE KNOCKOUTS
15. THE WAITING ON THE WALL / AVALON
16. MODERN DAY DELIAH / VAN STEPHENSON
17. CRYIN' / JEFF PARIS
18. DON'T YOU KNOW WHAT LOVE IS / TOUCH

最後に、ありがたいコトに常連の方々が寄せて下ったジャケット画像、プレイリスト、居残り組集合写真を貼っておきます。

そして次回は、以下になります。
《テーマ》AORの女性アーティスト特集
《日時》 1月18日(日) 開場:13時30分 開演:14時(約2時間〜2時間半予定)
《会場》 西荻窪 3313アナログ天国
   東京都杉並区西荻北4-30-4 1F TEL:03-6913-5307
     ※JR西荻窪駅下車 北口から徒歩11分
     ☆西荻窪駅北口より関東バス「吉祥寺駅北口行(西10)」
                  「西荻北郵便局前」下車徒歩約1分
<料金> 2,300円(1ドリンク込み)当日現金払い
予約サイトは近日開設予定ですので、続報をお待ち下さい。
2月はレギュラー第3日曜ではなく、ちょっと変則で2月14日(土)に開催します。
スケジュール調整、どうぞヨロシクお願いします。

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SPOTIFY PLAYLISTはコチラから(全14曲)

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