prince_around the world

プリンスのターニング・ポイントに位置する85年作『AROUND THE WORLD IN A DAY』の40周年記念デラックス・ヴァージョンを、1ヶ月遅れでようやく。『CONTROVERSY』が出た時に興味を持って結構ハマり、それからはずーっとオンタイムで聴いてきたプリンス。一番聴き込んだのは、やはり『1999』と『PURPLE RAIN』で、このアルバムも喜び勇んで手に取った記憶がある。で、「アレッ…」って戸惑ったのが、このアルバムだった。

まぁ、アートワークからして "まんま" サイケデリックなワケで、実験的なのは最初から覚悟していた。世間では安易にビートルズ『SGT.PEPPERS...』と比較して、モノマネなんて言ってる人もいたけれど、似ていたのはもちろん音楽的な意味合いじゃなく、メンタルな部分で。つまり『PURPLE RAIN』からの旅立ちを意味していたのだ。しかも、シングル、アルバム、映画、ライヴ・ツアーと、一連の『PURPLE RAIN』旋風が吹き止まぬ中、その全米ツアー終了からたった2週間で、大した宣伝もなく、『AROUND THE WORLD IN A DAY』がリリースされている。

『PURPLE RAIN』を完成させた直後に『AROUND THE WORLD IN A DAY』をレコーディングしたのが、それまで自分がやった一番スマートなこと。

プリンス自身が当時そう言っていたそうで。まだ結果も出ないうち、ある種自分の中にある確信だけで、このアルバムを作った。何よりそこがスゴイ。そしてココから、何事にも動じず我が道を突き進むように。確かにコレ以前もそういうスタンスのヒトだったけれど、更に勢いが増したというか、その加速度がハンパなくなった。後になって振り返れば、改名騒ぎなんて迷走と暴走以外の何モノでもなかったんだけど…

そう考えれば、『AROUND THE WORLD IN A DAY』こそその分岐点で、ここから急にターボが掛かった。なので、あまり理解できなかったのも、さもありなん。ザ・レヴォリューションと一緒だからか、『PURPLE RAIN』の流れを引き継ぐような<Raspberry Beret>とか<Pop Life>には夢中になったし、全米トップ10入りも果たしている。直情的なファンク・チューン<America>は、今回初CD化となった20分越えの12インチ・ヴァージョンが強力だった。この頃のプリンスはそうした12インチのみの別ミックスが面白く、カセットにまとめて録って聴いていたっけ。このデラックス・エディションのディスク2は、まさにそうした様々なミックス音源を修正したものになっている。『WE ARE THE WORLD』のオムニバス・アルバムに提供した<4 the Tears in Your Eyes>は、「あぁ、プリンスね」って感じだったが、『AROUND THE WORLD IN A DAY』の流れで聴くとスンナリ腑に落ちる。まぁ、『 THE BLACK ALBUM』なんてのが出たくらいだから、当時からプリンス自身の中にも様々な葛藤があったんだろうな。

それともうひとつ、この時期のプリンス周辺には、ザ・レヴォリューションのウェンディ&リサ、当時の恋人ともいわれたシーラ・E.など有能な2世ミュージシャンがいたし、ミネアポリスの音楽一家:ピーターソン・ファミリーとも関係が深かった。タシャ・シヴィルやジル・ジョーンズなど、プリンスの息が掛かってデビューした人たちも参加している。そういう人たちのアルバム、つまりはペイズリー・パーク・レーベルの旧カタログ群も、早くリマスター再発してほしいんだけどな。ゼロ年代だったか、某再発企画に絡めてまとめてリクエストしたことがあったが、案の定プリンス関係はアンタッチャブルだと言われ、それっきりになったのだ…

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