crusaders_chain reaction

3連休は何処へ行くでもなく、ずーっと自宅で仕事。そんな中、プロデューサーのスチュワート・レヴィンについて調べる機会があり、改めてその守備範囲の広さを実感。ジャズ・フュージョン系が表舞台という認識だったけれど、シー・レヴェルやマーシャル・タッカー・バンドなどサザン・ロック系グループのフィールドを広げることに貢献したし、80年代半ば以降はシンプリー・レッドとかボーイ・ジョージ、クライミー・フィッシャーなど英国勢も手掛け、自らの守備範囲を広げている。

でもやっぱりスチュワート・レヴィンといえば、彼の名を広く知れ渡らせることになったクルセイダーズとのワークスが一番。南アフリカ出身のトランペット奏者ヒュー・マサケラと親しくなって、64年に一緒にチサ・レーベルを設立。モダン・ジャズからの脱却を目指していたジャズ・クルセイダーズと契約し、配給がモータウンやブルー・サムヘ移り変わっても、バンド名からジャズが消えても、その絆が途切れることはなく、メンバーがセルフ・プロデュースを始める70年代終盤まで、その蜜月関係は続いた。

そんな中、75年にリリースされたクルセイダーズ名義になっての5作目(『CRUSADERS 1』から数えて)が、この『CHAIN REACTION』。メンバーは、ウェイン・ヘンダーソンを含むオリジナル・メンバー4人+前作『SOUTHERN COMFORT』から正式メンバーとなったラリー・カールトンという、歴代サイコーのラインアップ。他のギタリストは入ってなくて、その分ラリーのフィーチャー度が高い。ベースもウィルトン・フェルダーがサックス兼任で弾いているようだ。

故に最高傑作と褒めちぎるコア・ファンがいる一方で、より広いフュージョン好き全般にとっては、クルセイダーズ諸作の中でチョイと地味な存在に甘んじている。グループとしてはバンドの一体感が増して勢いづいているけれど、比較的コンパクトにまとめた印象もあって…。ジョー・サンプルの曲作りが好調で、聴きやすさが強調され、初めてのシンセサイザー導入もある。でも、もっとジャズっぽいインタープレイをガッツリ聴きたい、と考える方が多いのかな? ラリーが提供した<Mellow Out>は、ソロ初期にも演奏されていたナンバー。タイトル曲はマイケル・フランクスが自分で歌詞を付け、歌モノとしてカヴァーした。筆者的には、その『SLEEPING GYPSY』版を先に聴いたのだけれど。

クロスオーヴァー/フュージョンが市民権を得るようになって来た一方で、バンド側としては、住み馴れたブルー・サムが身売りし、ABC傘下に入っての初アルバムになる。親会社に大手が入ったことで、それまでにはないプレッシャーが掛かり、少しだけ間口の広い作品作りを目指したのもしれない。その辺りのサジ加減、バンドとレーベルの間を取り持ったのが、スチュワート・レヴィンではなかったか。次作『THOSE SOUTHERN KNIGHTS(南から来た十字軍)』では、派手なベースを弾くロバート・ポップウェルが加入し、歴代最多メンバーを抱えることになるけれど、テキサス・ファンクと呼ばれたコク深さは、確かにこのアルバムの方が濃厚だった。

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Chain Reaction
Crusaders
Mca
1997-08-12



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5 Original Albums
Crusaders
Verve
2017-08-24

《Tower Records はココから》

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南から来た十字軍 (SHM-CD) - クルセイダーズ
クルセイダーズ
Universal Music
2023-06-21

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