curtis mayfield_live

時々無性に聴きたくなるカーティス・メイフィールド。自分的には、スティーヴィー・ワンダーやアース・ウィンド&ファイアーよりもずっと後から知ったのに、<People Get Ready>とか<Gypsy Woman>、<We've Only Just Begun>など、代表曲のほとんどは他のアーティストのカヴァーで知っていた、という人。それなのに、スティーヴィーやマーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、EW&Fあたりに比べ、巷で耳にする機会が圧倒的に少ない。それこそ、ビル・ウィザースより少ないかな。だから余計に、そこへ帰りたくなる。自分の音楽観の中にあるソウル成分は、やっぱりこの辺から来てるのだろう。

今回、そういう気分になってしまったのは、カーティスのお抱えだったパーカッションのマスター・ヘンリー・ギブソンから。このところ、しばらくコンテンポラリー・ハワイアン漬けだったのだけれど、元カラパナのカーク・トンプソン(kyd) の周辺ワークスを掘っていくと、かなりの確率でこの人のプリミティヴな皮モノ・プレイ(コンガ、ボンゴ)に遭遇する。レムリアとかババドゥ!はもちろん、ノヘラニ・シプリアーノとかフェイズ7とか…。

元々ヘンリーはシカゴのセッション・マンで、ソウル系やジャズ系アーティストに呼ばれていたとか。その中からインプレッションズ時代のカーティスや、ダニー・ハサウェイと親しくなり…。中でもソロに転向したカーティスのバンドでは必要不可欠の存在になって、長く良き関係を築いている。ニューヨークのビターエンドで録られたこのライヴ盤(71年発表)は、その素晴らしい演奏とカーティスとの蜜月ぶりが手に取るように分かる傑作。ダニーの名作ライヴの陰に隠れがちだけれど、バンドにキーボード奏者を入れず、ヘンリーのパーカッションに自由なスペースを与えているのは、カーティスの戦略なのだと思う。

そのヘンリーがあまり著名にならなかったのは、ニューヨークやL.A.を拠点にしなかったのが最大の理由だろう。一方でハワイでのセッションが多いのも最初は謎だったが、70年代半ばからしばらくオアフ島に住んでいたそうだ。なるほどヘンリーのハワイ人脈は、そこで築かれたものなのだな。もっともカークもカラパナ時代はマリブに住んでカリフォルニアに基盤を作ろうとしていたから、そこで出会っていた可能性もあるけれど。

ちなみに、やはりシカゴの重鎮ギタリスト:フィル・アップチャーチが抜擢したキーボード奏者テニソン・スティーヴンスも、大して活躍しないで姿を消してしまったけれど、この人も同時期にハワイに移住していた。ジョージ・ベンソンや故ウォルター・ベッカーなど、後々ハワイに移住するミュージシャンが増えていくけれど、彼らはその先駆けだったのかも。このライヴを聴くと、歌モノなのに、これほどフロントのシンガーから全幅の信頼を受けて大フィーチャーされたパーカッション奏者って、他にいなかったように思うな。


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