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トッド・ラングレンJAPAN TOUR 2026@NHKホールを観た。以前から書いてるように、近年のトッドのライヴの充実ぶりはマジすごくて、ワン・ツアーごとに手を替え品を替え、時にバンド・メンバーを総取っ替えしながら、攻めのパフォーマンスを仕掛けてくる。この3年で3ツアー述べ4回のショウを見せてもらったが、オセアニア・ツアー用に組んだ前回バンドに比べ、ユートピアからの盟友カシム・サルトン(b,vo)、元チューブス:プレイリー・プリンス(ds)らがボトムを固める今回のバンドには、やはり安定感・安心感があった。
(以下ネタバレあり)

聞けば、この東京でのステージが今年のトッドの初ライヴだそうで。メンバーが登場するなり、オーディエンスにハンドクラップを求め、それに被せて<Evrybody>で幕を切る、ちょっと意表を浮いたオープニング。でも次がユートピア<Secret Society>で、「アァ!やっぱり今日はユートピア多めか」と内心ほくそ笑んでいたら、3曲目で早くも<I Saw the Light>でビックリ。ちょいと早すぎない?と思ったのも束の間、この後はほとんど馴染みのない曲と、よく知ってる<Lost Horizon>や<Black and White>が交互に登場し、ユートピアもソロも押し並べてのチョイスで、何だかよく分からなくなった。でもトッド自身は元気ハツラツ、声も出ているし、ギターも気持ちよさそうに弾き倒して、好調そのもの。

これが終わると、クルーがゾロゾロと楽器やスツールを抱えて登場。ステージ中央のトッドを囲むように小ぶりなアコースティック・セットを組み、<Cliche>とか<Love of the Common Man>あたりを。この辺はちょっと『BACK TO BARS』を思い出したりして。更にカシム、ブルース・マクダニエル(g,vo)の3人で、『A CAPPLA』から<Honest Work>を。まさか、ココでアカペラが聴けるとは思わなかった。このアコースティック・セットからアカペラへの流れが、この日の前半のハイライト。更にオーディエンスに「誰か、コレ叩いてよ」と呼びかけ、女性ファンをステージに上げて、<Bang the Drum All Day>でティンバレスをプレイさせる演出。でも彼女も心得たモノで、もしかして仕込みか?と思っちゃうほどの手慣れた感じ。勝手を分かっている風なので、相当熱心なファンだと思うが、堂々としたスティックさばきにもビックリ、なんて一幕だった。

後半のハイライトは、フィラデルフィア出身でソウル好きのトッドらしいソウル・メドレー<I'm So Proud / Ooh Baby Baby / La La Means I Love You>。コレ、以前にも聴いた記憶があるけど、今回はひときわ印象的で。そしてザ・コールとのコラボでデジタル・リリースしたばかりの<The Walls Came Down>、ユートピア<One World>で本編終了。アンコールでは<Can We Still Be Friends><Hello It's Me>と代表曲を立て続けに披露し、日本公演初日をハネた。

メンバー構成からユートピア中心のセレクトを期待していたので、個人的に<Love Is the Answer>も<Just One Victory>もないセットは少々物足りなくもあったが、トッドのキャリアを広く俯瞰し、<Hello It's Me>や<Can We Still Be Friends>といった代表曲から、かなりマニアックなナンバーまで、抜かりのないチョイスで。しかも、ただオーディエンスを喜ばせるだけでなく、アコースティック・セットのような新しい試みも忘れない。80歳代目前だから、キャリアの総括に入るのは無理もないコトだけれど、トッドのパフォーマンスも安定していたし、これだけ現役感があってまだまだ来日してくれそう。なのでお楽しみはまだ先に取っといても大丈夫そうだな


[setlist]
1. Evrybody
2. Secret Society
3. I Saw the Light
4. Stood Up
5. Lost Horizon
6. Sweet
7.Black and White
8.Cliche (Acoustic Set)
9.Tiny Demons (Acoustic Set)
10. I Don't Want to Tie You Down (Acoustic Set)
11. Love of the Common Man (Acoustic Set)
12. Honest Work(A Cappella Set)
13. Bang the Drum All Day (with a fan)
14. Buffalo Grass
15. Kindness
16. I'm So Proud / Ooh Baby Baby / La La Means I Love You
17. The Walls Came Down
18. One World
-- Encore --
19.Can We Still Be Friends
20. Hello It's Me

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