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昨年末、11年ぶりとなる北米ツアーを発表して話題にさらったカナダの伝説的バンド、ラッシュ。名ドラマーにして作詞家、バンドにとってはコンセプト・メイカーでもあったニール・パートの死去から数えても、もう6年になる。そのラッシュが30日夜に、カナディアン・グラミーとして知られるジュノー・アワードの授賞式に、オープニング・ゲストとして出演。久しぶりのパフォーマンスを披露した。半ば音楽系に特化している自分のSNSのタイムラインでは、もうこれ一色の様相。思わず懐かしいアルバムを引っ張り出してしまったヨ。

ニール・パートの後を埋めるのは、もちろん6月からの復活ツアーに参加するドイツ人ドラマー:アニカ・ニルス。これにキーボードのローレン・ゴールドが加わって、4人でステージに立った。アニカたちは一応サポート・メンバーという立場らしいけど、やっぱり注目はアニカに集中している。

自分がアニカを知ったのは、御多分に洩れずジェフ・ベックの生前ラスト・ツアーで。イメージとしてはヴィニー・カリウタやナラダ・マイケル・ウォルデン、更に遡ればサイモン・フィリップスやテリー・ボジオの流れを継いだ技巧派なワケで。それが女性で、しかもごくシンプルなドラム・キットで叩いていて、最初は「何だかなぁ…」と思った記憶が。それがツアーの画像などが上がってくると、前任者たちに勝るとも劣らぬ叩きっぷりでビックリ。しかも今ドキのドラマーらしく、変幻自在のビート感を持つ。無駄を失くした小さなキットも、実際はいろいろ工夫が凝らされていて、シンバルもちょっと変わったのが付いてたり。そしてレコーディングでは、チューニングを変えたり、ミュートをうまく使ったりして、打音自体にエフェクティヴな変化を与える。見た目は小ぢんまりとしたセットでも、その分 機能を重視しているのだ。

ドラミング自体も、ニールのような派手なフィルは少ないものの、手数が少ないワケではなく、ハイハット・ワークやスネアのゴーストなど、小技が得意なタイプみたいで。基本はジャズ・フュージョン系のヒトなんだな。ファンの間では、ニールの後任としてマーク・ポートノイが待望視されていたけれど、ニールやラッシュの大ファンであるポートノイだと、オリジナルを踏襲してしまうだろう。でもアニカなら、ニールへのリスペクトを示しながらも自分のスタイルを仕掛けてくると思われ、新しいラッシュが聞けるかもしれないので、そこが楽しみ。ジュノー式典では、ニールがラッシュに加入する前のデビュー・アルバムから<Finding My Way>をプレイし、まずはあたたかく迎えられた。けれど北米ツアーが始まったら、原理主義的ファンがどう反応するか…。

もっとも自分は初期のファンで、シッカリと聴いていたのは80年代初頭まで。その後はアルバムが出たら耳を通す、という程度の関わりになってしまった。なのでこの復活の動向も、ちょっと遠くから冷静に見ている。ちょうど『GRACE UNDER PRESSURE』の発売40周年スーパー・デラックス・エディション特大箱が出るトコロだけれど、4CD+Blu-ray5枚組+各種グッズで5万円超って、一体どのくらいのファンが買うんだろうな?




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Fly By Night
Rush
Island / Mercury
1987-01-27

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