grover washigton jr_skylarkin'

気持ちよく晴れた空を見ていて、ふとブランチのBGMに良いのではないかい?、と思い出して、流しっぱにしていた一枚。一世を風靡し、スムーズ・ジャズ構築のひな型になったサックス奏者としてお馴染みのグローヴァーだけれど、もう亡くなって四半世紀が経つのだなぁ。あぁ、Time Flies...

71年にデビューしてからずーっと籍を置いていた CTI / KUDU を離れた後、グローヴァーはどういう契約なのか、一時期モータウンとエレクトラから併行してアルバムをリリースしていた。前作がエレクトラでの『PARADAISE』。79年にレコーディングされ、年を跨いでモータウンから出たのが、この『SKYLARKIN'』。そしてその次が、かの大ヒット作『WINELIGHT』になるワケで。人気絶頂のクロスオーヴァー/フュージョン・シーンを牽引する売れっ子だけに、年2枚のリリースも何のその、だったのだろう。

当然のこと、スタイル的には『WINELIGHT』、ほぼそのまま。マーカス・ミラー、リチャード・ティー、エリック・ゲイル、ラルフ・マクドナルドいうリズム・セクションの陣容は、スティーヴ・ガッド不在以外は何も変わらない。ココでのドラムはアイドリス・ムハマッド。ソウル・ジャズ系の人だから、手数よりグルーヴ重視で、そこは『WINELIGHT』とのビミョーな違いに繋がっている。プロデュースはグローヴァー自身なので、そこは意図してのキャスティングだろう。ムハマッドもKUDUで多くのリーダー作を出しているから、当然相手の持ち味はよく分かっているはずだ。

大きな違いは、<Just The Two Of Us>のような、歌モノのキラー・チューンがないこと。それに『WINELIGHT』ほどのキラめくようなサウンドメイクにはまだ至っていない。KUDU期よりはソフィスティケイトされているものの、まだ若干のイナタさが漂っている。まぁ、あくまで『WINELIGHT』と比較すれば、のハナシで、グローヴァーならではの作風は充分に完成しているけれど。だからココは、本人プロデュースの限界というべきで、エンジニアリングを含めたサウンド・プロダクションが完成までもう一歩、なのだ。でもそれを自覚したからこそ、『WINELIGHT』ではラルフ・マクドナルド一派をプロデュースに迎えたのだろう。でもその些細な違いがヒットに繋がる。神は細部に宿る。AIには神はいない。

この時期のクロスオーヴァー/フュージョン好きは、廉価で手に入るうちにチェックしておくべきアルバムです。


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スカイラーキン(限定盤)
グローヴァー・ワシントンJr.
Universal Music
2014-10-22

《Tower Records はココから》