mamas gun_dig

このブログを定期的に訪れてくれている皆さんには、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスでお馴染みだろう、UKのシンガー:アンディ・プラッツのマザーシップであるママズ・ガンのニュー・アルバム。最近どんどんヴィンテージ・ソウルのカラーを強くしていた彼らだけれど、正直、ココまで煮詰めてくるとはチョッと驚き。前作『CURE THE JONES』から4年というのは、いささか間隔空きすぎながら、その『CURE THE JONES』も『GOLDEN DAYS』から4年半ぶりだったから、これが彼らのペースなのだな。

もともとネオ・ソウルのバンドとして登場し、日本のFM各局で人気に火がついたママズ・ガン。でもポップ要素が強くてマルーン5あたりと比較されてた初期とは違い、18年作『GOLDEN DAYS』から急速にニュー・ソウル感を強めてきた。アナログ機材でレコーディングするようになったのが大きかったようだが、6作目となるこの『DIG!』では、それが更に進化。16トラックのアナログ・テープを使って、ほとんど一発録りに近い形でレコーディングしたらしい。それによってヴィンテージ感が増幅。聴感的には、ホントにリアルな70年代ニューソウルの空気感に浸れる。コロナが影響した前作『CURE THE JONES』は、ほぼアンディの楽曲で占められていたが、今作はメンバー共作が多数。その辺りもバンド感の高まりに表れたと思われる。アンディのヴォーカルの魅力はいつも通りだが、バンドの演奏、特にビリビリ痺れるようなリード・ギターの存在は、アーニー・アイズレーを髣髴とさせて、70'sテイストを一層ゲインさせるよう。

そして一人、キーパーソン的な存在が。ギル・スコット・ヘロンのコラボレイターとして知られるブライアン・ジャクソンがゲスト参加し、タイトル曲を共作、ヴォーカルに鍵盤、フルートをプレイしているのだ。この組み合わせ、チョッと唐突に映るけれど、実はこの2人、アンディがママズ・ガンを始める前に、もうニューヨークで出会っていたとか。それが今回、約20年ぶりの再会で、一緒に曲を作ることになった。ジャクソンが直接関わったのは1曲だけのようだけど、曲によってスティーヴィー・ワンダーだったり、ビル・ウィザースだったり、マーヴィン・ゲイだったりと、たっぷりヴィンテージな空気を創造できたのは、やっぱり彼の存在が背景にあったからだと思う。

ブライアンが寄せたライナーノーツには、こんなことが書かれている。
「ソウル・ミュージックの名曲には、もう一人、よく見落とされる重要なバンド・メンバーがいるんだ。それは “空間” だ。ミュージシャンとして学ぶべき最も重要な教訓は、“いつ演奏しない” かだ。音楽には呼吸が必要だ」
そして、「グルーヴは音と音の間の空間に宿る」と結論づける。これはまさに、今ドキの音楽制作に於けるキモの部分。AIは足し算や掛け算は得意でも、センスがモノをいう引き算は、ロクにできないと思うぞ。

自分はCDで聴いているけど、これからポチる方はアナログ盤がベターかも。そうそう、7年ぶりの来日公演も10月に丸の内コットンクラブにて。
https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/mamas-gun-261007/

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