squeeze_trixier

このブログには珍しく、スクイーズのニュー・アルバム。UKポップは結構好きでも、ポスト・パンクとかニューウェイヴとなると、あまり積極的には追っていない筆者だけど、スクイーズは昔から気になる存在で。確かエルヴィス・コステロのプロデュースというのでアンテナに引っ掛かって、そうしたら元エースのポール・キャラックがいて、<Tempted>がヒット。キャラックはすぐ抜けてしまい、バンドもゴタゴタ続きで、解散したりまた組んだり。でも中核の2人、クリス・ディフォードとグレン・ティルブルックはズッとチームで動いていて、84年作『DIFFORD &TILBROOK』なんて速攻聴いたな。ジュールズ・ホランドもココの出身だけど、結局その2人がいればスクイーズなのだ。

で、前作『THE KNOWLEDGE』以来8年ぶりのニュー・アルバム『TRIXIES』。通算16作目だそうだけど、後半にゃ未聴のアルバムも多々。でもこのアルバムは、アートワークに惹かれるモノがあって。調べてみたら、ディフォード&ティルブルックが10代の時にデモ音源を制作していた、幻のデビュー・アルバムなのだとか。構想は良かったが、アイディアに演奏が追いつかなかったり、アレンジが未熟だったり、悪戦苦闘するうちにパンクの時代がやって来て、そのまま棚上げされていたらしい。ところが最近になって、当時書いていた楽曲のカセット・テープを発掘。それを完成させるコトになった。

『TRIXIES(トリクシーズ)』というのは架空のナイトクラブ。そしてそこに出入りする人々が歌われている。なのでアルバムも少々芝居がかっているというか、曲によってクイーン、10c.c.やスパークス、ロキシー・ミュージックとか。渋いところでビー・バック・デラックス。70年代半ばというと、エルトン・ジョンにデヴィッド・ボウイ、ザ・フー、キンクス、ジェネシスあたりが壮大なコンセプト・アルバムを作っていたから、彼らも若気の至りでそういう作品にトライしたのか。その心意気たるや尊いモノだけれど、流石にまだ実力が伴わなくて撃沈。スクイーズの場合、ちょいとヒネリを入れるのがポイントだから、難しかったのかな。

でもそれがこうして再生されたのだから、拙いながらも、オレたちあの頃から結構イケてたんじゃネ、なんてコトになったのだろう。初心に返る、みたいな瑞々しいピュアネスがあって、当時の彼らが何を聴き、何に憧れ、何処からインフルエンスを得ていたかが伝わってくる。何だか、ポール・マッカートニーが聴いたら嫉妬しちゃいそうな、そんな感覚。大上段に構えず、小気味よく楽曲が繰り出されてくるのがスクイーズらしいところで、70年代の英国パワー・ポップっぽさが気に入った。

アナログ盤はもちろん、デモやライヴ音源、Blu-rayでドルビー・アトモス・ミックスを収録した3枚組のデラックス・エディションもあり。





《amazon》
Trixies
Squeeze
BMG
2026-03-06

《Tower Records はココから》

《amazon》
Trixies [Analog]
Squeeze
BMG
2026-03-06

《Tower Records はココから》

《amazon》
Trixies [Blu-ray]
Squeeze
BMG
2026-03-06

《Tower Records はココから》