
フォリナーの看板シンガーだったルー・グラムの、実に37年ぶりとなる3枚目のソロ・アルバム。ネットで音楽情報をマメに仕入れている方なら、最近のルーが現行フォリナーのライヴにゲスト格で頻繁に登場しているコトをご存知かと思う。一方で、リーダーとして数年前まで若手メンバーを統率し続けていたミック・ジョーンズは、パーキンソン病が進んでライヴ活動から引退。フォリナーが2024年に“ロックの殿堂"入りを果たした時、そのセレモニーにも出演できなかった。それを機に、ルーはミックとのわだかまりを解消。ミックの代わりに、現行フォリナーに協力するようになった。フォリナーのデビュー50周年にあたる今年のワールド・ツアーでも、米国内の一部公演にルーが参加している。彼も90年代後半のグループ復帰後に脳腫瘍〜緊急手術を経験。その後リリースがないまま2度目の脱退、実質的活動休止に入ってしまったから、歳を重ねて、かっての名パートナーの健康と心持ちを慮る気持ちが強くなったのかもしれない。
さて、『RELEASED』と題されたこの新作。アートワークの彼が近影ではないので、アレッ
と思った方がらっしゃるかも。その通りこのアルバムは、純然たるニュー・レコーディングではない。ルー自身がこう語っている。
「1980年代に僕の過去3枚のソロ・アルバムの制作中に録音された未発表曲を集めたものだ。力強く心に響くこれらの曲は、僕の古いマルチ・トラック・テープから直接取り出したような、素晴らしいヴィンテージ・サウンドが特徴なんだ」
だがご存知にように、ルーが発表したソロ作は、フォリナーがガタついてきた時期の『READY OR NOT』(87年)と『LONG HARD LOOK』(89年)だけ。3枚目があったとしたら、未発表なのだ。その幻の3作目のデモ制作が、91年にデビューするシャドー・キングに発展した可能性もある。これに加えて、09年に発表されたルー・グラム・バンド(彼の3兄弟が中心)の唯一作が、ルーの直近作。
それを考えると、新作『RELEASED』について腑に落ちる点も。収録曲は、ほぼ全曲がルーとブルース・ターゴンの共作(フォリナー参加前に組んでいたブラック・シープ時代からの盟友で、フォリナー復帰やシャドー・キングでも共に行動)だし、先行配信の〈Young Love〉は、元シャドー・キングのヴィヴィアン・キャンベルが鮮烈なハード・ロック・ギターを弾いている。また2ndソロのアルバム・タイトルを曲名に掲げた〈Long Hard Look〉では、歌詞に“Shadow King”というフレーズが。だとすれば、この辺りは『LONG HARD LOOK』からシャドウ・キングに進化するプロセスで書かれた楽曲だと推察できる。また〈Heart And Soul〉でシャープなロック・ギターを弾くのは、ロッド・スチュワートのバンドで活躍した故ジェフ・ゴルブ(15年没)だったり。レコーディング・メンバーの中心は、最近ルーとステージを共にしているルー・グラム・オールスターズの面々で、弟ベン ・グラマティコ(ds)、フレットレス・ベースの名手トニー・フランクリン(ザ・ファーム〜ブルー・マーダー)が含まれる。
…かといって、ルーの言葉通りに発掘テープからそのまま抜き出してアルバム化したのではなく、楽曲そのものを大幅に書き換えたり、新規パートを追加したり、更に未完のままのマテリアルを仕上げたり、新曲を書き下ろして加えたり…と、かなり手を加え、制作に2年以上の時間を費やしたそうだ。ルーの歌声も、楽曲よってフォリナー時代と遜色がないほど若々しかったり、そうかと思うと明らかにキーが低かったり。そうした中、『LONG HARD LOOK』の収録曲〈True Blue Love〉が、ピアノ・デュオでリメイクされていたりする。バラード志向のミックに比べ、ブルージーかつソリッドなロックを演りたくて訣別したルーだから、このアルバムも割とハードな楽曲が多い。そのエクスキューズが〈True Blue Love〉のリメイクなのかな。
最近のライヴ映像を観ると、サスガにヴォーカルの衰えは隠しきれないトコロだけど、このアルバムを聴く限り、ほとんど気にならない。ルー自身がこのアルバムを “長い間待ち望んでいたスタルジーの旅” と言っているが、発掘音源がベースとはいえ、フォリナー好きなら充分に納得できるレヴェルに仕上がっていると言えそうだ?
ちなみに、ディスクユニオンが流通させている帯・解説つき輸入盤国内仕様は筆者ライナー。別の流通の国内仕様盤には入ってませんので、ご注意あそばせ。
《amazon》
《Tower Records で輸入盤》
《amazon》
《Tower Records で輸入盤LP》
と思った方がらっしゃるかも。その通りこのアルバムは、純然たるニュー・レコーディングではない。ルー自身がこう語っている。「1980年代に僕の過去3枚のソロ・アルバムの制作中に録音された未発表曲を集めたものだ。力強く心に響くこれらの曲は、僕の古いマルチ・トラック・テープから直接取り出したような、素晴らしいヴィンテージ・サウンドが特徴なんだ」
だがご存知にように、ルーが発表したソロ作は、フォリナーがガタついてきた時期の『READY OR NOT』(87年)と『LONG HARD LOOK』(89年)だけ。3枚目があったとしたら、未発表なのだ。その幻の3作目のデモ制作が、91年にデビューするシャドー・キングに発展した可能性もある。これに加えて、09年に発表されたルー・グラム・バンド(彼の3兄弟が中心)の唯一作が、ルーの直近作。
それを考えると、新作『RELEASED』について腑に落ちる点も。収録曲は、ほぼ全曲がルーとブルース・ターゴンの共作(フォリナー参加前に組んでいたブラック・シープ時代からの盟友で、フォリナー復帰やシャドー・キングでも共に行動)だし、先行配信の〈Young Love〉は、元シャドー・キングのヴィヴィアン・キャンベルが鮮烈なハード・ロック・ギターを弾いている。また2ndソロのアルバム・タイトルを曲名に掲げた〈Long Hard Look〉では、歌詞に“Shadow King”というフレーズが。だとすれば、この辺りは『LONG HARD LOOK』からシャドウ・キングに進化するプロセスで書かれた楽曲だと推察できる。また〈Heart And Soul〉でシャープなロック・ギターを弾くのは、ロッド・スチュワートのバンドで活躍した故ジェフ・ゴルブ(15年没)だったり。レコーディング・メンバーの中心は、最近ルーとステージを共にしているルー・グラム・オールスターズの面々で、弟ベン ・グラマティコ(ds)、フレットレス・ベースの名手トニー・フランクリン(ザ・ファーム〜ブルー・マーダー)が含まれる。
…かといって、ルーの言葉通りに発掘テープからそのまま抜き出してアルバム化したのではなく、楽曲そのものを大幅に書き換えたり、新規パートを追加したり、更に未完のままのマテリアルを仕上げたり、新曲を書き下ろして加えたり…と、かなり手を加え、制作に2年以上の時間を費やしたそうだ。ルーの歌声も、楽曲よってフォリナー時代と遜色がないほど若々しかったり、そうかと思うと明らかにキーが低かったり。そうした中、『LONG HARD LOOK』の収録曲〈True Blue Love〉が、ピアノ・デュオでリメイクされていたりする。バラード志向のミックに比べ、ブルージーかつソリッドなロックを演りたくて訣別したルーだから、このアルバムも割とハードな楽曲が多い。そのエクスキューズが〈True Blue Love〉のリメイクなのかな。
最近のライヴ映像を観ると、サスガにヴォーカルの衰えは隠しきれないトコロだけど、このアルバムを聴く限り、ほとんど気にならない。ルー自身がこのアルバムを “長い間待ち望んでいたスタルジーの旅” と言っているが、発掘音源がベースとはいえ、フォリナー好きなら充分に納得できるレヴェルに仕上がっていると言えそうだ?
ちなみに、ディスクユニオンが流通させている帯・解説つき輸入盤国内仕様は筆者ライナー。別の流通の国内仕様盤には入ってませんので、ご注意あそばせ。
![]() |
《amazon》
《amazon》

![Released [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/518xbTc5KzL._SL160_.jpg)







































