fern kinney 3

先月からスタートしているマラコ・レーベルの再発シリーズ第2弾【MALACO - Shout & Sweet Sounds of Mississippi - Season 2】。既にオリジナル・アルバム10作、コンピレーション3作が出ていて、数年前に筆者が選曲・監修した『Light Mellow MALACO』を再プッシュしてくれてたりするから、まずは感謝。でもココではまず、初CD化作品から気になるタマを順次紹介していきたい。今回のピックアップは、マラコきってのディスコ・ディーヴァ、ファーン・キニーの3作目。

キニーといえば、まずはキング・フロイドのカヴァーでR&B/ダンス両チャートで好成績を残した<Groove Me>、UKチャートで首位に立った<Together We Are Beautiful>で知られる。共にデビュー・アルバム『GROOVE ME』収録で、それは彼女の代名詞的存在になっていた。

対してこの82年発表の3rdアルバム『SWEET MUSIC』は、今回が初CD化。ディスコ・イメージの強いシンガーだったから、自分も1stを聴いただけで、この3作目は今までスルー。今回のリイシューで初めて耳にした。で、聴いてビックリ。全然ディスコじゃないじゃないのォォ〜

元々デニース・ウィリアムスを思わせるキュートな歌声の女性で、歌もサウンドもまったくマラコっぽくはなかったけれど、今作はノッケの<If Tomorrow Never Comes>からシットリしたバラードで攻めてきて。コレ、元々はコントローラーズのカヴァーで、フレデリック・ナイトも歌っている好曲。続いての<Easy Lovin'>は、モロにアンブロージアしたイントロから、ソフトなソウル・フレイヴァー漂うゆったりミディアム・スロウに展開するが、コチラも70年代初めから数多く歌われているカントリー・ヒット。そしてそのまま前半5曲、いわゆるアナログA面は、すべてバラードからミディアム・スロウのアーバン・テイストでまとめられ…。

後半に入ると、いきなりシンセ・ベースが軽快に唸り始め、軽く揺れるようなライト・ブギーに展開して、<I'm Ready For Your Love>が始まる。これのみフレデリック・ナイトの提供/プロデュース。タイトル通りのスロウ・ブギー<Boogie Box>、モータウン・ビートを再構築したポップなビート・チューン<Most Girls>、そしてケニー・ロジャースのカヴァー<Sweet Music Man>ではカリビアンなフレイヴァーを取り入れ、バラエティに飛んだ作風を披露する。ラストの<Pipin' Hot>は、ポインター・シスターズを思わせるようなダンス・ポップ。

ある意味、82年という時代を強く意識した作りで、当時のブラック・コンテンポラリーやAOR好きにもアピールできる内容。結局は1作目のようなヒットは出ず、キニーは表舞台から去った。肝心のマラコもサザン・ソウルを前面に、独自色を強めて地盤を固め、シッカリと生き永らえていく。でもこうしたマラコのスタンス、大衆路線に失敗したら独自路線に切り替えて立て直していく手法には、いろいろ学ぶべき点が多いと思うなァ。

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