toshiyuki honda_burnin' waves

現在ゲラのチェックを進めている『AOR Light Mellow Premium 03』に続き、今夏中の発売を目指して和製フュージョンのディスクガイドを鋭意執筆中。そんな中、ライナーを寄稿した本多俊之の78年デビュー・アルバム『BURNING WAVES』が発売された。もう何度もCD復刻されているけれど、レア音源のボーナス付きは今回が初めて。

本多俊之といえば、ジャズ・フュージョンの枠をスッ飛ばして、今では映画やドラマのサウンドトラック、TV番組のテーマでも活躍する大物作編曲家/プロデューサーだ。その本多が、現役大学生の新星サックス奏者としてデビューしたのが、このアルバム。和製フュージョン隆盛に大きく寄与したエレクトリック・バード・レーベルの第2回発売、そしてバックがシーウインドと、いろいろ話題も多かった。

当時のシーウインドは、ハーヴィー・メイスンのプロデュースでCTIから2枚のアルバムを出したばかりのタイミング。スケジュールの都合か、サックスのキム・ハッチクロフトが不参加で、ゲイリー・ハービッグが穴を埋めている。ポーリン・ウィルソンは自ずと出番が少ないが、パティ・オースティンのカヴァー<Havana Candy>でヴォーカル担当。全体のアレンジは、昨今の和製フュージョン・ブームで再評価が進む上田力。

でも何より魅力なのは、やっぱりフレッシュな本多のブロウと作曲の才能で。収録8曲中5曲が本多の自作で、特にタイトル曲〈Burnin' Waves〉は、彼のフュージョン期代表曲になり、やがてリーダー・グループのバンド名になった。ファンキーなミッド・チューン〈Thunder Kiss〉は、後年サンプリング・ソースに。ラストの〈747 Wind Flight〉では、メインのアルトからソプラノに持ち替え、楽しげなサンバ・フィールを披露する。これが21歳の若者のブロウとは俄かに信じがたい、そんな表情豊かなフレーズを持っている。

ボーナス・トラック2曲は、2010年代に入って再結成されたバーニング・ウェイブの新形態:BW4(バーニング・ウェイブ・カルテット)によるライヴ盤『コンドルは飛んで行く〜Live at 新宿PIT INN』(12年8月29日録音)からのセレクト。メンバーは本多、野力奏一(kyd)、奥平慎吾(ds)、川村竜(b)で、〈Scarborough Fair〉はお馴染みサイモン&ガーファンクルのカヴァー。

来月には、本多俊之&バーニング・ウェーヴになってからの会心第2作『ブーメラン」(81年)が、やはりボーナス入りで復刻予定。そちらもライナー書いてます。

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