kiyoshi sugimoto_la master

ツイン・タイフーンがランデヴーしそこなって、何事もなく仕事三昧の週末。まずはお待たせしまくりの『AOR Light Mellow Premium 03』は、いよいよpdf上での文字校正が終了。あとは来週のゲラ到着を待って、実際の印刷で色見を確認し、遂に校了となります。これで来月中の発売に間に合うかな? でも自分自身は全然ホッとできずに、7月上旬には次のジャパニーズ・フュージョン本を脱稿しないとイケないんですけど…

さて、再び、筆者が総合監修する和製フュージョン再発プロジェクト【Light Mellow presents J-FUSION Renaissance】のご紹介に戻って。今回は、アナログ再発4作中の2枚目、杉本喜代志『L.A. MASTER』をピックアップ。78年のオリジナリ・リリース以来、コレが初めての復刻になる。

杉本喜代志は、和ジャズ方面でジワジワと再評価が高まってきているスタジオ・ギタリスト。和ジャズでは、70年代前半頃のクロスオーヴァー/フュージョン創生以前のリーダー・アルバムの復刻が進んでいるけれど、こちら界隈では、13年にCD化されたマーカス・ミラーやオマー・ハキムとの共演作『ONE MORE』(81年)が有名か。

対してこの『L.A. MASTER』は、約1年間の米国修行から戻って制作した75年作『OUR TIME』のリアル・クロスオーヴァー・サウンド後を受けた、進化系フュージョン・スタイルが特徴的で。参加したのは、当時杉本が率いていたレギュラー・コンボの面々、清水靖晃 (sax)、富樫春生 (kyd)、岡沢章 (b)、渡嘉敷祐一 (ds) が中心で、そこに松木恒秀(g)、深町純(kyd)、高水健司(b)、大徳俊幸(pf)、ジェイク・H・コンセプション(sax)、斎藤ノブ/浜口茂外也/中村達也(perc)らが楽曲によって登場する。深町はシンセサイザー・アレンジも担当しており、これが本作の武器のひとつ。時期的に、ポリフォニック・シンセサイザーがようやく先進的な鍵盤奏者に広まってきたくらいで、深町は日米オールスター・キャストのクロスオーヴァー・アルバムを作る傍ら、シンセの多重録音による実験的アルバムを複数リリースしていたタイミング。そんな深町の要職起用は、杉本のアンテナの感度の良さを象徴している。

聴きモノは、その深町の斬新なシンセ・ワークが飛び出す〈Ivory Flower〉、クラヴィネットを多用したファンキー・フュージョン〈Yeh! Boogie〉、一転 杉本がアコースティック・ギターのソロ演奏で実力を示した〈I'm Blind To All But You〉も耳を引かれる。その的確なギター・プレイとセンスの良さを、トクとご堪能あれ。


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