hino_detour lp

今日も今日とて、筆者が総合監修している和製フュージョン再発プロジェクト【Light Mellow presents J-FUSION Renaissance】のご紹介から、今回は日野皓正の88年作『DETOUR』を。コレ、発売当時はCDとアナログが両方出ていたが、アナログは今となっては激レアで。ビクター〜CBSソニー時代の作品群は何度も再発されてきたけれど、このアルバムはリリース以降、今回が初復刻になる。

この『DETOUR』は、当時の東芝EMIが傘下に立ち上げた新しいジャズ・レーベルWho-Ringへ移っての第1弾。その頃のヒノは、ニューヨークの尖った雰囲気を作品化することに成功。『DOUBLE RAINBOW』『PYRAMID』『NEW YORK TIMES』『TRADE WIND』と、シャープ&ソリッドなジャズ・ファンクで気勢を上げていた。

そしてこのアルバムでは、クワイエット・ストームの隆盛、ハッシュ・プロダクション系のサウンド全盛を受け、ホイットニー・ヒューストンのソロ・デビュー曲〈You Give Good Love〉(85年/全米3位)を書いたニューヨークの才媛 LaLa(ララ)に4曲の制作を委ねている。元々ヒノは、アルバムで歌う女性シンガーを探していたそうだが、コーディネイターの紹介でLA LAに会い、意気投合。ヴォーカルだけでなく、楽曲提供からプロデュースまでを含む本格的コラボになった。LA LAは前年に初ソロ作『LA LA』を発表したばかり。本作と同時期に、カシーフやメルバ・ムーア、グレン・ジョーンズ、ステファニー・ミルズ、ジャーメイン・ジャクソンらと仕事を共にしている。ヒノが彼女と組んだ4曲中、〈You Give Good Love〉はもちろんホイットニーのカヴァー。ロング・キャリアのヒノテル作品でも、ポップス・ファンが一緒に楽しめるようなヴォーカル・チューンの収録は珍しい。

ヒノ自身のプロデュース曲では、シェールやメルバ・ムーア、ジェニファー・ラッシュ、ボニー・タイラー、マイケル・ボルトン、角松敏生との共演歴がある無名の若手グレッグ・マンジアフィコにトラックメイクを委ね、ポール・ぺスコ、タワサ・エイジー、フォンジ・ソーントンらが参加したアーバン・ファンク〈Give My Heart A Break〉、ハービー・ハンコック〈Rockit〉張りのストリート・サウンドをぶちまけた〈Into The Storm〉、従来のヒノらしいファンキー・セッション〈Light Is Right〉を展開。更にロビー・ネヴィルのデビュー・ヒット〈C'est La Vie〉のカヴァーにもトライしている。

今にして思えば、数あるヒノテル作品で、最も潔くポピュラリティーを追ったアルバムがコレかも。ジャズ・フュージョンというより、ヒノテル meets 80'sブギー として聴くと面白そうだ。

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DETOUR (カラー盤)[Analog]
日野皓正
Universal Music
2026-06-24

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