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ジャンルを超越して活躍してきたキーボード奏者:難波弘之の、音楽活動50周年を記念したアンソロジー、所縁の深いキングとソニーから同時発売。ドタバタで発売直後のご紹介になってしまったが、関係者のお計らいで、我が家にも届いています。考えてみたら、難波さんには何度かお目にかかっていて、25周年記念で編集盤『2001:A WONDER ODYSSEY』が出た時のインタビュー、斉藤ノブさん主導で野呂(一生)さんも参加していたVIBES の取材やライヴでもお会いしたり、某プログレ・バンドの来日公演後に食事をご一緒する機会があったり…。だけど、きっとご本人はせいぜい「コイツ、何処かで見たことあるぞ」ぐらいの認識だろうなぁ…

自分が難波弘之の名を初めて知ったのは、多分、金子マリ&バックス・バニーで。そのあとは山下達郎バンドとか各種スタジオ・セッションとか。ソロ・アーティストとしてはプログレのイメージで語られがちだけど、自分的には他の面もイロイロ知っていたので、ホント器用な人だな〜、と思っていた。しかも、きっとコダワリが強いであろうシンセの音色なども、プログレ・ファンが納得するような音作りをしながら、一方でポップス好きにも違和感を抱かせないピンポイントを狙っていて。それがシティポップ復権の今だと、まさに懐かしいようでチョッと新しい感覚に聞こえる。

今回の選曲は仕掛け人氏の提案で、「シティポップやフュージョンからのアプローチ」を取ったそうだけれど、<シルバーグレイの街>は筆者監修・選曲の2001年のコンピ『CITY BREEZE from EAST』シリーズのBGM編に収録。<夏への扉>と<パーティ・トゥナイト>は、同じく14~15年に10数枚組んだ『LIGHT MELLOW 和モノ』シリーズのキング編『Light Mellow SUMMER』、ソニー編『Light Mellow DANCING』に、それぞれチョイス済み。だけどまぁ、シティポップ・ブームが訪れる前の話なので、いろいろ早すぎたんでしょう。

今回のアンソロジー、キング編『夏への扉〜THE DOOR INTO SUMMER』は、79年の初ソロ作『SENSE OF WONDER』を筆頭に、センス・オブ・ワンダーや野獣王国、ピアノ・トリオのA.P.J.、そしてテン年代に出した2枚のソロ作からのセレクト。水野正敏、山木秀夫と組んだA.P.J.なんて、最初こそ驚かされたけど、実はこの編成でプログレを演るのがコンセプトと知って納得。ほう、キース・エマーソンのジャズ版かいッ、てなトコロで。そういえば、少しアンビエント寄りのピアノ・ユニット:eden、なんてのもあったような…(今回は未収録)。個人的には、16年の『一生鍵命』からの<ココロと心臓>や<浮遊>を久々に聴いて、ちょっと感激。ベースがリー・ジャクソン、キーボードはキャメルっぽい、なんて感じてしまうのは、自分だけかな? 

ソニー編『シルバーグレイの街〜CITY OF SILVER GRAY』は、AIRレーベル時代のソロ作群『PARTY TONIGHT』『飛行船の上のシンセサイザー弾き』『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』『N氏の天球儀』という自分的に馴染みのある4枚と、センス・オブ・ワンダーの初期アルバム2枚が対象。自分が初めて聴いた難波ソロが『PARTY TONIGHT』で、しかも達郎バンド色も濃厚というコトから、やはりコレが一番愛着がある。音のイメージがU.K.、豪華ブックレットのモチーフがデイヴ・グリーンスレイドのソロ・アルバムだったというのは、今回の自筆ライナーで初めて知った気が…。でも自分も中高生の頃からのプログレ好き。やはり難波さんにはシンパシーを覚える。それにこうしてポップ寄りの楽曲を集成したコンピを聴くと、ライト・ユーザーには伝わりにくくても、50年間ご自身の音楽性はずっと一貫したまま。プログレ愛はともかく、聴き手の方がソコに捉われすぎているだけなんじゃない?、なんて思ってしまうな。

夏への扉 〜 難波弘之アンソロジー - 難波弘之
難波弘之
キングレコード
2026-08-26

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シルバーグレイの街 〜 難波弘之アンソロジー - 難波弘之
難波弘之
ソニー・ミュージックレーベルズ
2026-08-26

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