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ビートルズ『RUBBER SOUL』祭りが我が家にも。ゲットしたのは、スペシャル・エディション(4CDスーパー・デラックス)とブルーレイ・エディション。22年リリースの『REVOLVER』5CDボックスにはサラウンド・ミックスのブルーレイが入ってなくて(それ以前のボックスには同包されていた)、一部で論争を呼んだことから、今回は制作されたものの別売で…。専用システムが必要なアトモス・ミックスだから、それを分けて本体の価格を抑えたのだろうけど、それにしても… この件は最後に触れるとして、まずは内容をチェック。いえ、まだブルーレイは聴けてないんですけど。

4ディスクの構成は以下の通り。
・DISC 1 : 『Rubber Soul』(New Stereo Mix):14曲
・DISC 2 : Sessions, Demos and the Single (Stereo):28曲
・DISC 3 : 『Rubber Soul』(Original Mono Master):14曲
・DISC 4 : 『Rubber Soul』(Original Capitol US album):12曲
これに88ページの豪華ハードカヴァー・ブックを付け、LPサイズのスリップケースに入れて発売された。このブックレットには、貴重な写真や各楽曲解説に加え、ジョンの序文、ポールのイントロダクション、アルバム制作の詳細背景を掲載している。

ジャイルズ・マーティンとサム・オケルによるニュー・ステレオ・ミックスは、基本的に今までのボックスの流れを踏襲したものらしく、特別な目新しい発見はナシ。今の世代でも聴きやすい、自然なミックスになっている。いわゆる赤盤の新装ミックスと同じテイクが多いのかな? 耳に付きやすいパートは右chに寄っている気がするけど、昔の泣き別れミックスを知ってる世代の耳にはずいぶん滑らかに聴ける。「イヤイヤ、コレじゃないんだヨ」とモノ・ミックスにこだわる人、それどころか「オリジナルLPしか認めん」という人、賛否はイロイロあると思うけれど、そういう方はそちらを聴き続けていればヨロシイ。最も重要なのは、ビートルズの音楽そのものが後世にシッカリ語り継がれていくコト。対してテクノロジーは世に倣って進化していくものだから、それに連れてハードやメディア、聴き方は増えていってイイのではないか、というのが自分の考え。少し伝わり方が変わっても、音楽そのものの本質を歪められていない限り、強要されて然るべき、と思う。

この手のボックスのハイライトとなる DISC-2のレア音源やデモ・トラックは、やはり身に染み付いた楽曲ばかりだから、その制作ドキュメンタリーとしてとても興味深い。繰り返し聴くようなシロモノではないけれど、メンバーたちがミュージシャンとしてのアイデンティティに目覚めて、自己表現を深めていった最初期のセッションだ。楽器片手にディスカッションしながらトライ&エラーを重ねていく様が、ダイレクトに楽しめる。このボックスのひとつのウリになっているジョンの未発表曲<Little Girl>は、確かに良いメロディの楽曲だけれど、さすがにパーツを繋いだだけと思われ、デモ以外の何モノでもない。よって過大な期待は禁物。未発表テイク20曲+未発表デモ3曲という前情報通り、『ANTHOLOGY』での既発モノも入っている。

もうひとつのポイントは、オリジナル発売のフォーマットだったUKモノラル・ヴァージョンと、米国初リリース時のUSエディションが同時に楽しめること。ここでも「オリジナルだったら初回LPで」という原理主義的な声は一旦脇に置いて、ブライアン・ウィルソンが聴いて感銘を受けたのが、<夢の人(I’ve Just Seen a Face)>で始まるフォーク・ロック・テイストの米国盤だった、というハナシこそ重要。つまり『RUBBER SOUL』の時点では、米国のビートルズ・ファンは少し違うところを見せられていたワケだ。

もっともそれぞれのヴァージョンは、『ORIGINAL MONO BOX』『U.S.BOX』に収録されていたので、これまでもテイストの違いを実体験することは可能だった。ならば今回は4CDスーパー・デラックスではなく、DISC-1と、DISC-2のダイジェストを収めた2枚組でもコトは済んだ。でもそっちには<Little Girl>がない。ヤラレタね。そこで、こういう時のためにひたすら貯めておいたポイントをフル活用し、適価でスーパー・デラックス4枚組をゲット。なんだかなぁ…と思いつつ、これぞ貧乏なフリー音楽ライターの涙ぐましい?努力の顛末かと…

そこで輸入盤国内仕様ボックス・セットの価格の問題である。誰しもそうだと思うが、いくら諸物価高騰の折とはいえ、ビートルズ物の高飛車な価格設定に、最近のアップルは何を考えているの…、なんて思っていたのだ。最近組まれる簡易紙ジャケなどのカタログ・ボックスは、サブスク対策なのだろうか、ディスク1枚あたり1000〜1500円程度だったりする。ボブ・ディランのローリング・サンダー・レビュー物もその延長。デラックス仕様なら、ザ・フーのが、まぁ、標準的か。

ところが、これから出るキッスの『ROCK AND ROLL OVER(地獄のロック・ファイアー)」は、77年の日本公演ライヴが含まれていて大いにソソられていたのに、ナンとビックリ 5枚組5万円超という高額設定で見事玉砕。いつか単独リリースされるのを待つことにした。国内メーカーというより、輸入盤も同じような高額設定。どうやらアーティストによって全く設定が異なるらしい。でもそこに、老い先短くなった大物アーティストごとの思惑なども垣間見えて、いろいろ考えさせられてしまうのよ。

『RUBBER SOUL』 定価27500円(CD4枚組+ブックレット)
『REVOLER』 22年 定価21450円(5 SHM-CD+ブックレット)
ザ・フー『THE WHO BY NUMBERS』 6枚組(5 SHM-CD+Blu-ray)  定価19800円 
フランク・ザッパ  『FREAK OUT!』 60周年記念 (5 SHM-CD+Blu-Ray)定価13200円 
ボブ・ディラン 『The Rolling Thunder Revue: The 1976 Live Recordings』
                           CD39枚組 定価33000円
キッス 『ROCK AND ROLL OVER(地獄のロック・ファイアー)〜50周年記念
  スーパー・デラックス・エディション』(4SHM-CD+Blu-ray Audio) 定価53900円 

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