
今にしてシティポップ。世界的流行に乗ったシティポップは、今や新しいフェイズに突入していて、ドンドン拡大解釈が進んでいる。少し前ならアイドル物やテクノポップ、今では和製フュージョンが “歌のないシティポップ” なんて呼ばれて。シティポップ的なモノをリアルタイムで聴いてきた世代としては違和感ビシバシなのだが、その発信元が海外で、しかも世代が大きく離れているのだから、その時代的・音楽的背景など伝わるはずもない。でもその分センスは音楽的にピュアだから、カテゴリーなんて関係がない。ならばオンタイム世代はその新しい解釈をネガティヴに扱うのではなく、柔軟に許容しながら、歴史的事実を自然なカタチで発信し、軟着陸へと導いていく。そういう局面が今なのだろう。
リヴァイヴァル・ブームのピークを既に超えてしまっている現在、敢えてリリースされたこのコンピレーション。とりわけ重要なのは、半ば使い古されたタイトル『TOKYO CITY POP』ではなく、サブ・タイトルに掲げてある "New Standard" の方だ。テン年代以降のシティポップ潮流を反映し、定番曲に加えて、フュージョン、ディスコ・ブギー、アイドル・ポップと広義に捉え、海外人気やサブスク再生数、サンプリング使用曲などを積極的に採用。ブームが雲散消霧していくのをただ黙って見ているのではなく、現在地に立って、将来のあるべき姿を見据えてセレクトしている。初モノは高橋玲子と親松敦子の2曲ぐらいだけれど、それはあくまでマニアたちへのエクスキューズ。このコンピの本質は、そこにはない。
基本フォーマットであるCD2枚組の構成は、以下の通りだ。
DISC 1:Sweet Evening
1. トーキョーレギー / 高中正義
2. Good Bye Boogie Dance / 杏里
3. DOWN TOWN / EPO
4. DESTINATION / 伊藤銀次
5. 愛は思うまま / 吉田美奈子
6. F・L・Y / スペクトラム
7. Mystical Composer / 菊池桃子
8. サンセット・ロード / 高橋玲子
9. SAY GOODBYE / 佐藤博
10. ラスト・フット / 上田正樹
11. テレフォン・ナンバー / 大橋純子
12. BEST FRIEND / 児島未散
13. 堤防 / 二名敦子
14. LETTER TO NEW YORK / 深町純
15. クリスタル・ナイト / KAORU
16. Shampoo / とみたゆう子
17. ドリーミング・ラブ / 中原理恵
DISC 2:Bitter Midnight
1. 4:00 A.M. / 大貫妙子
2. Juggler / 黒住憲五
3. midnight cruisin' / 濱田金吾
4. I Wanna Be With You / 国分友里恵
5. Imagination / SHŌGUN
6. 真夜中のドア 〜 stay with me / 松原みき
7. STEPPIN' OUT / 親松敦子
8. ZANZIBAR NIGHT / マリーン
9. TOKYO SPECIAL / 笠井紀美子
10. MIDNIGHT RENDEZVOUS / CASIOPEA
11. Dress Down / 秋元薫
12. STARLIGHT BALLET / PIPER
13. 昨日からの会釈 / 伊藤美奈子
14. Midnight Pretenders / 亜蘭知子
15. THE TOKYO TASTE / RAJIE
16. SCOTCH AND RAIN / 南佳孝
17. スカイレストラン / ハイ・ファイ・セット
企画・選曲・解説は、『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』でお馴染み、今やシティポップ第一人者でもある栗本斉クン。彼は、04年に刊行した拙監修『Light Mellow 和モノ699』(13年刊『Light Mellow 和モノSpecial』の初版本)の重要ブレーンでもあって、自分とひと回り近く歳が離れているのに、シティポップに対する考え方やスタンスには共鳴する点が多い。
実際、このコンピに収録された34組のうち半分以上が、自分が01年に初めて組んだシティポップ系コンピレーション・シリーズ『Light Mellow〜City Breeze from East』(5社から発売)と被っていて。とりわけ、高中正義や笠井紀美子など、フュージョン系の歌モノやジャズ・シンガーのポップ・チューンを収めたのが共通するし、『Light Mellow〜』にはカシオペアじゃなく、四人囃子やプリズムのメロウ・インストをぶち込んでいた。何だか半世紀が経ってグルッとシーンがひと回りした、そんな印象を強く持ってしまった。
ロンバケ効果で、個性的でシンボリックなのが今や露出過多となり、どのアルバムのジャケなのかが判断できなくなってしまっている永井博さんのアートワークも、リゾート感を排した斬新な構図。知らない楽曲との出会いを演出するだけが役割ではなく、シーンの動向を先導したり、新しい潮流を提案し、シンボルとして機能させていく、そういう在り方に立ったコンピレーションだと思うな。
《amazon》
《Tower Records はここから》
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基本フォーマットであるCD2枚組の構成は、以下の通りだ。
DISC 1:Sweet Evening
1. トーキョーレギー / 高中正義
2. Good Bye Boogie Dance / 杏里
3. DOWN TOWN / EPO
4. DESTINATION / 伊藤銀次
5. 愛は思うまま / 吉田美奈子
6. F・L・Y / スペクトラム
7. Mystical Composer / 菊池桃子
8. サンセット・ロード / 高橋玲子
9. SAY GOODBYE / 佐藤博
10. ラスト・フット / 上田正樹
11. テレフォン・ナンバー / 大橋純子
12. BEST FRIEND / 児島未散
13. 堤防 / 二名敦子
14. LETTER TO NEW YORK / 深町純
15. クリスタル・ナイト / KAORU
16. Shampoo / とみたゆう子
17. ドリーミング・ラブ / 中原理恵
DISC 2:Bitter Midnight
1. 4:00 A.M. / 大貫妙子
2. Juggler / 黒住憲五
3. midnight cruisin' / 濱田金吾
4. I Wanna Be With You / 国分友里恵
5. Imagination / SHŌGUN
6. 真夜中のドア 〜 stay with me / 松原みき
7. STEPPIN' OUT / 親松敦子
8. ZANZIBAR NIGHT / マリーン
9. TOKYO SPECIAL / 笠井紀美子
10. MIDNIGHT RENDEZVOUS / CASIOPEA
11. Dress Down / 秋元薫
12. STARLIGHT BALLET / PIPER
13. 昨日からの会釈 / 伊藤美奈子
14. Midnight Pretenders / 亜蘭知子
15. THE TOKYO TASTE / RAJIE
16. SCOTCH AND RAIN / 南佳孝
17. スカイレストラン / ハイ・ファイ・セット
企画・選曲・解説は、『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』でお馴染み、今やシティポップ第一人者でもある栗本斉クン。彼は、04年に刊行した拙監修『Light Mellow 和モノ699』(13年刊『Light Mellow 和モノSpecial』の初版本)の重要ブレーンでもあって、自分とひと回り近く歳が離れているのに、シティポップに対する考え方やスタンスには共鳴する点が多い。
実際、このコンピに収録された34組のうち半分以上が、自分が01年に初めて組んだシティポップ系コンピレーション・シリーズ『Light Mellow〜City Breeze from East』(5社から発売)と被っていて。とりわけ、高中正義や笠井紀美子など、フュージョン系の歌モノやジャズ・シンガーのポップ・チューンを収めたのが共通するし、『Light Mellow〜』にはカシオペアじゃなく、四人囃子やプリズムのメロウ・インストをぶち込んでいた。何だか半世紀が経ってグルッとシーンがひと回りした、そんな印象を強く持ってしまった。
ロンバケ効果で、個性的でシンボリックなのが今や露出過多となり、どのアルバムのジャケなのかが判断できなくなってしまっている永井博さんのアートワークも、リゾート感を排した斬新な構図。知らない楽曲との出会いを演出するだけが役割ではなく、シーンの動向を先導したり、新しい潮流を提案し、シンボルとして機能させていく、そういう在り方に立ったコンピレーションだと思うな。
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