39b9105d.gifうーん、原稿書きが煮詰まったので、ちと気分転換。ちょうど仕事でやり取りしている人にCD-Rを焼いて欲しい、なんて頼まれていたのだが、そこにファンの人からBBSに書き込みがあったりして。なのでヘッドフォンをかけて爆音でこの12inchを聴く。"KC melts miss G. Remix"、早い話、名曲<Candy>の松尾潔リミックス。
いきなりプログレッシヴな重層シンセが舞い降りてきて、彼女の声が頭の上を左右で交互に飛び交う。"Yeah(右)、 Yeah(左)、Yeah(右)、 Yeah(左)" ひょえ〜〜、かっちょイイ! とりあぜず、にわかトランス状態、とでもいうか。
この12inchは、主にプロモーション用にプレスされたらしいレアなサラ。ボクは3枚目の『MELLOW MEDICINE』が出た時のインタビューで、初めて具島さんにお会いした。その時プロデューサーのボビー桐ケ谷氏が、ボクが具島ファンであることを知り、この12inchをくれたのだ。それ以来、ボクの和モノDJイベントでは、ちょくちょくコレを回している。いつだったか下北沢でプレイした時などは、かなり大きな反響があった。

具島直子の魅力は、あの囁くような歌声。クールなのにまとわりつくような感覚があって、しんなり濡れている。小悪魔的だけれど、ぶった感じはまったくなくて、それが天性。男に「守ってあげなきゃ」と思わせる何かがある。それでいて凛とした気品が漂っているのだ。
実際に会った時の雰囲気もそのイメージ通り。動物に喩えるならば、血統書付きのシャム猫だろうか。彼女みたいなヒトが身近にいたら、大抵の男はメロメロになりますですよ。

『Light Mellow Sky』への新曲収録は、担当A&R氏が偶然にも具島ファンだったコトから始まっている。彼は「いつか彼女を復活させたい」という思いからボビーさんとコンタクトを取っており、既にデモ音源を聴いていた。しかし業界不況の余波で、昔のようにコトは簡単には運ばない。でもそういう時だからこそ、行動力と企画力がモノをいう。やっぱりホントにイイ音楽は、熱い情熱を持った人のところから発信されていくものなのだ。カネのあるトコロから出てく音楽は、勢いはあっても一過性のモノ。使い捨ての音楽ばかりを吐き出してきた結果、今は音楽業界自体が吹きだまりみたいになって、リストラの嵐が吹き荒れている。でも長い目で見れば、それは業界内の大掃除なのかも知れない。ここから力強く芽吹いてくるものは、ある意味、本物といえるのかも。ま、志があるからこそ会社を辞すって人もいるだろうけど。

おっとその前に、自分のお仕事がなくならないように頑張らなくちゃ、だわ!