Light Mellow on the web 〜 turntable diary 〜

音楽ライター:金澤寿和の音盤雑感記
This is Music Journalist : Toshi Kanazawa's Blog. Sorry for Japanese only.

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World

■ MILTON + ESPERANZA

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クインシー・ジョーンズの訃報に触れて、彼のワークスや功績にいろいろ思いを巡らせる中、ふと気づいたのが、イヴァン・リンスの存在に目を向けさせてくれたのもクインシーだった、ということ。そこからの連鎖で、8月にリリースされたこのアルバム、ミルトン・ナシメントとエスペランサの共演盤。もちろん発売と同時にゲットしたけれど、その深〜い出来映えに、もう少しシッカリ聴き込もうを思いつつ、アッと言う間に3ヶ月…。

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■ TUNEL ACUSTICO / MARCOS VALLE

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ブラジルを代表する名シンガー・ソングライターにして、レア・グルーヴ方面からの人気も著しいマルコス・ヴァーリ、2020年『CINZENTO』以来4年ぶりのニュー・アルバムが好評だ。今作の目玉は、先行シングルとしてリリース済みのシカゴとの共作曲をセルフ・カヴァーした〈Life Is What It Is〉(CHICAGO 13 収録/ブラジル人メンバー:ローディ・オリヴェイラとマルコスの共作)と、79年にリオン・ウェアと共作した曲のデモ音源が元になった〈Feels So Good〉。そのせいか、ココ2〜3作では一番クラブ寄りっぽい雰囲気があって、70年代末〜80年代初頭のクロスオーヴァー感覚が強いと感じる。


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■ In Memory of SERGIO MENDES

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改めてセルジオ・メンデス、R.I.P.
今朝は速報だけのポストだったので、自分にとってのセルメン追悼を。<マシュ・ケ・ナダ (Mais Que Nada)>から始まるブラジル'66での偉業は、もちろん素晴らしいモノ。ある意味 日本のポップス界にとって、ビートルズに匹敵するくらいの影響力があったと言えるんじゃないだろうか。今の60歳代末〜70歳代前半くらいの音楽好きにとっては、まさにド真ん中だったはずで、ビートルズでロックに目覚めた男性が多かったとしたら、セルメンで洋楽を好きになった女性、子供時代にピアノを習っていたようなイイとこのボンボンが多かったのではないかと思う。シティポップ系のアレンジャーや女性シンガーたちは、ホント、みんなセルメンが大好きだ。

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■ SERGIO MENDES passed away

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緊急速報。セルジオ・メンデス、逝く。6日、L.A.で、安らかに息を引き取ったそうだ。セルジオはコロナ・ウイルスに罹患し、後遺症に苦しんでいたという。昨年11月、パリやロンドン、バルセロナのヨーロッパ・ツアーが最後のライヴになった。享年83。
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■ ONE LOVE / BOB MARLEY

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ボブ・マーリーの伝記映画『ONE LOVE』を地元シネコンで。ちょうど『EXODUS』(77年)制作時の話が中心になっていて、自分がまさにボブ・マーリーにハマっていたのが『EXODUS』『KAYA』『BABYLON BY BUS』の頃だったので、えらくリアリティのある内容だった。…かと言って、レゲエ自体に深くハマったワケではなかったから、やっぱり彼の作るメロディ・センスにヤラレていたんだろうな。

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■ OMINIRA / LUCAS ARRUDA

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エヂ・モッタ系人脈を持つブラジルのメロウ・グルーヴ職人ルーカス・アルーダから、5年ぶりのアルバムが届いている。前作『ONDA NOVA』がメチャ良かった、というより、まぁまぁのデキだった13年のデビュー作『SAMBADI』から、15年2nd『SOLAR』、そして『ONDA NOVA』と三段跳びのような成長ぶりで。インスト中心のデビューからアルバムを追って歌モノ比重が高くなっていったのも、好感要素。合わせて70〜80年代サウンドへのオマージュも巧みになり、ストレートなカヴァーから、スタイルそのものの導入へと進化を遂げた。『ONDA NOVA』では、日本制作のベナード・アイグナー(<Everything Must Change>の作者)>のソロ・アルバムを模したアートワークで、マニア心のくすぐり方も心得ている。

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■ BEHIND THE TEA CHRONICLES / ED MOTTA

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ブラジリアン・グルーヴ・マスター:エヂ・モッタの、約5年ぶりとなる最新アルバムが間もなくリリース。エヂ自身からのご指名(?)により、3作連続でライナーノーツを書いてます。今回はCDとアナログ盤、国内同時発売。これまではライナーが入るのはCDのみで、アナログ盤ではスルーされるのがデフォルトだったが、今回はアナログの方にも拙解説が挿入されている。きっとフィジカル需要が、CDからレコードへ移ってきているのを反映しているのだろう。サブスクではなくフィジカルご所望の日本の音楽ファンには、多分喜んで戴けるのではないかな?

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■ JOĀO DONATO passed away

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ブラジルから訃報。作編曲家・ピアノ奏者のジョアン・ドナートが、17日、リオデジャネイロの病院で亡くなった。死因は発表されていないが、少し前から肺炎で入院していたという。発表したのは、ドナートの公式SNSアカウント。享年88歳だった。

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■ ASTRUD GILBERTO passed away

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Voice of Bossa Nova、<イパネマの娘(The Girl from Ipanema)>ので知られるアストラッド・ジルベルトが、5日、米国フィラデルフィアの自宅で亡くなった。現時点では死因は未公開。享年83歳だった。
「今日、おばあちゃんが星になって、おじいちゃんのジョアン・ジルベルトの隣にいるという悲しい知らせが届けられました」(ソフィア・ジルベルト=孫)

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■ COURAGE / MILTON NASCIMENTO

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陽気に誘われてミルトン・ナシメント。ブラジルものを聴くなら、まずはココから、と言っていいシンガー・ソングライターであり、“A VOZ DO BRASIL(ブラジルの声)”とも呼ばれる国民的アーティストだ。そしてこのアルバムは、数多い彼の名盤の中でもベーシックに数えられる一枚である。レコーディングは1969年だから、まさにエヴァー・グリーン。ミルトンにとってはアメリカでのデビュー作であると同時に、自身2作目、初のメジャー作品でもあった。

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■ meu coco / CAETANO VELOSO

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ブラジル音楽はあまり熱心に聴いていないけれど、これはちょっと楽しみにしていた。重鎮カエターノ・ヴェローゾの約10年ぶり、ソニー・ミュージック移籍第1弾となるニュー・アルバム『meu coco』。その意味は、“僕の脳ミソ”。それでこういうアートワークなのね。今年の8月で80歳になるカエターノだけど、頭の中は硬直することなく、今も目一杯 柔らかアタマなようで…

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■ ROBBIE SHAKESPEAR passed away

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2日続けての訃報。レゲエ・シーンを代表するリズム・セクションであると同時に、ジャンルを超越するサウンド・クリエイター・チームとして活躍したスライ&ロビー。その片割れでベース・プレイヤーのロビー・シェイクスピアが、8日、米国フロリダの病院で亡くなった。以前から腎臓を患っていて、手術を受けていたとのこと。享年68歳。

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■ Coisas Do Coracao(心もよう)/ TOQUIHNO

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引き続きユニバーサル・ミュージック【初CD化&入手困難盤復活!! 〜ブラジルが生んだ秘蔵の名盤〈'50s~'00s〉】から、今回のシリーズに1枚だけピックアップされたトッキーニョのソロ・アルバムから、86年の『心もよう(Coisas Do Coracao)』を。

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■ JUNTOS / IVAN LINS

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ユニバーサル・ミュージックの廉価盤シリーズ【初CD化&入手困難盤復活!! 〜ブラジルが生んだ秘蔵の名盤〈'50s~'00s〉】からのピックアップで、イヴァン・リンスが84年に発表した『JUNTOS』を。クインシー・ジョーンズが自分のアルバム『THE DUDE(愛のコリーダ)』や、プロデュースしたジョージ・ベンソン『GIVE ME THE NIGHT』、パティ・オースティン『EVERY HOME SHOULD HAVE ONE(ディライトの香り)』にイヴァンの曲を取り上げたのが、彼を名をインプットした最初で。

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■ MADE IN NEW YORK / TANIA MARIA

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今日もめっぽう暑かったので、ブラジル物で返り討ち!? 注目していた方も多いと思うが、ユニバーサル・ミュージックの恒例シリーズ【初CD化&入手困難盤復活!! 】に、『ブラジルが生んだ秘蔵の名盤〈'50s~'00s〉』が登場。7月下旬に100タイトルがCDでリイシューされたのだ。もちろん税込1,100円という廉価なので、自分の手元にないアイテムをごっそりオーダー。目玉は日本初CD化というイヴァン・リンスの1stと2ndで、当然それもゲットした。でもココではまず、個人的待望だったタニア・マリアの85年作『MADE IN NEW YORK』から。

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■ VALE TUDO / SANDRA SA

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気温が40℃に届こうかという危険な猛暑。つまりは、クーラー効かせた部屋で大人しく仕事してなさい、という思し召しかと素直に従っているが、還暦超えにして基礎疾患アリ、でも未だワクチン打てずでは、何れにせよ必要最低限の外出しかできない。実は今週末に1回目の接種予定だったが、予約した医療機関のスタッフに陽性者が出たとかで(ワクチン打ってるだろうに!)、しばらく休診になると連絡がきた。当然 接種も延期で、こりゃー2度目が打てるのは、下手すりゃ10月近くになりそう。こういう業界にいると、知り合いの音楽関係者とか付き合いのある会社にコロナ患者が出た、なんてコトは今までにもあった。でも身近感は全くナシ。ところがこの第5波襲来では、自分の生活圏の身近なところに陽性者が出始め、いよいよ迫ってきた感が。物心ついてからというもの、風邪は引いてもインフルンエンザに罹患したことがないので、自分は免疫力が高いのか?と思っているが、果たして何事もなく過ごせるか…。

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■ CINZENTO / MARCOS VALLE

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今年9月で77歳を迎えるブラジル音楽界の至宝マルコス・ヴァーリが乗っている。昨年、英Far Our Recordings からリリースした『SEMBRE』は、まさに近年大人気の80'sブギー・ファンクにアプローチした話題作で、日本のラテン系音楽ファンの投票による『年間ブラジル・ディスク大賞』において堂々首位を獲得。10月には盟友アジムスとジョイントで来日公演を行い、そのライヴ・パフォーマンスにはカナザワも胸躍らせたばかりだ。

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■ AZYMUTH & MARCOS VALLE @Blue Note Tokyo

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個人的にかなり楽しみにしていた、アジムス&マルコス・ヴァーリ@Blue Note Tokyo 3daysの初日2nd Show。ロビーで入場を待つ間に いつになく多くの知り合いと顔を合わせ、否応にも期待が高まる。金曜というコトもあったのか、立ち見までイッパイイッパイの完全フルハウス状態。このコンビでの日本公演は以前にもあったが、カナザワ的にはお初。アジムス単独は観たことあるけど、これほどの熱気はなく席にも全然余裕があったから、やはりマルコスとの相乗効果で1+1が5にも10にも、というパターンだろう。実際のパフォーマンスも、その期待に違わぬモノだった。

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■ SEMPRE / MARCOS VALLE

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ブラジルのアーバン・メロウ達人/グルーヴ・マスター、マルコス・ヴァーリ。前作『ESPHERA』以来、何と9年ぶりとなる新作『SEMPRE』が素晴らしい〜。その『ESPHERA』も確か6〜7年ぶりだったはず。それでも70〜80年代作品の復刻が相次いでいるし、14年にはマルコスのデビュー50周年ライヴ盤(withステイシー・ケント)もあったから、あまりお久しぶり感はない。…ってか、87年頃からずーっと表舞台に立たず、90年代も終わりに近くになって、ようやくロンドンのクラブ・シーンで復活した人。そこから数えると、20余年で5作目になる。まぁとにかく、“カリオカ・ソウル” なんて称されてもいる黒っぽいマルコスが好きな向きは、どうか素通りナシで願います。

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■ JOAO GILBERTO passed away

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お久しぶり! 半月ぶりの更新です。facebookではチラリお知らせしましたが、実は先月21日から昨日まで入院しておりました。トーク・イベントなどいくつか穴を開けてしまいましたが(スミマセン)、締切等は多少余裕のある時期だったのが不幸中の幸い。元々痛みのない病で、退院後の食事制限や運動の規制もナシ。体力的にはまだ万全とは言えないものの、とりあえず仕事に復帰します。ご心配いただいた関係者の皆さま方、どうもありがとうございました!

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